
重機や医療機器、カーナビ、プリンター、製造ラインの監視装置など、システムが組み込まれた機器の開発現場では、
グローバル展開を前提とした多言語対応が当たり前になりつつあります。
一方で、実機開発が進むにつれて「翻訳は終わったはずなのに、画面表示がうまくいかない」と感じた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実際の現場では、翻訳後のテキストが想定より長くなり画面に収まりきらなかったり、
改行位置の違いによってUIのバランスが崩れてしまったりするケースが少なくありません。
また、小型ディスプレイや屋外での使用を想定した機器では、文字が読みにくくなることもあります。
さらに、フォントの描画負荷が想定以上に高く、CPU使用率や表示速度に影響が出るといった問題が発生することもあります。
これらのトラブルは、翻訳の良し悪しだけで起きているわけではありません。
多くの場合、翻訳、フォント仕様、UI設計がそれぞれ独立して進められていることが原因になっています。
翻訳とフォント、UI設計は切り離せない
多言語対応では、言語が変わることで文字幅や字面、改行の考え方が大きく変わります。
英語やドイツ語では文字数が増えやすく、中国語や韓国語では字面の密度が変わり、
アラビア語などでは文字の流れそのものが異なります。
こうした違いを考慮せずに翻訳を進めてしまうと、実機で初めて問題が表面化し、後工程での修正が膨らみがちです。
翻訳が完了してから画面に当てはめるのではなく、画面表示を前提にしたテキスト設計とフォント設計を同時に考えることが、
実機開発では重要になります。
翻訳工程から見直す多言語UI設計
多言語UIを安定させるためには、翻訳工程の段階から実機表示を意識した設計を行う必要があります。
たとえば、あらかじめ画面内で使える文字量の目安を定めておいたり、
改行しても意味が崩れにくい表現を選んだりすることで、
実装後の調整負荷を抑えることができます。
また、言語ごとの特性を踏まえたフォント選定や描画検証を早い段階で行うことで、
可読性や処理負荷に関するリスクも事前に把握しやすくなります。翻訳とUI設計を別工程にせず、
一連の設計として捉えることがポイントです。
ホンヤク社の組み込み機器向け多言語対応サポート
当社では、翻訳そのものだけでなく、
実機での表示を見据えたテキスト設計やフォント検証まで含めた支援を行っています。
各言語の特性を踏まえたUI文言の調整や、翻訳段階での文字数・改行の考え方の整理、
実際の表示を想定したサンプル生成などを通じて、
多言語対応に伴う後戻りを減らすことを目的としています。
翻訳工程から多言語UIを見直すことで、開発後半での調整コストやリリース遅延を防ぎ、
実機開発をよりスムーズに進めることが可能になります。
実機開発における多言語対応でお悩みの方へ
すでに翻訳が進んでいるものの表示面に不安がある場合や、今後のグローバル展開を見据えてUI設計を整理したい場合には、
現在のUIテキスト仕様をもとに各言語での表示適正を確認する簡易診断も可能です。
まずは現状のお悩みから、お気軽にご相談ください。
QAコーナー
Q1. 組み込み機器の多言語対応では、どの段階から翻訳を意識すべきですか
A.UI設計と文言検討の初期段階から意識することが重要です。
翻訳完了後に多言語対応を考えると、文字溢れや改行崩れが発生しやすくなります。
画面サイズや表示条件を踏まえたうえで、翻訳前から文字数制限や表現ルールを設計することで、実装後の手戻りを防ぐことができます。
Q2. フォントの選定は翻訳会社に相談しても対応可能なのでしょうか?
A.訳内容と表示特性を踏まえた観点での支援は可能です。
言語ごとの文字幅や可読性、表示密度は翻訳内容と密接に関係します。
翻訳工程と連動してフォントの表示検証やサンプル生成を行うことで、UI崩れや視認性低下のリスクを事前に把握できます。
Q3. 既存製品を後から多言語対応する場合でも、UI改善は可能ですか?
A.可能です。ただし現行UI仕様の整理が重要になります。
既存製品では、画面サイズやフォント変更の制約があるケースも少なくありません。
そのため、現在のUIテキストを棚卸しし、言語ごとの適正や表示リスクを整理したうえで、現実的な改善策を検討することが有効です。
