マシンビジョンの最新動向：AIの活用は今後も広がり続ける（品証品管ニュース）

2025 . 07 . 04 品証・品管ニュース

まず、避けては通れない問題から対処しよう。現在、マシンビジョンの分野における中心的なトレンドは人工知能（AI）だ。主要なマシンビジョンソフトウェアのパッケージには、必ずAIがツールの一つとして含まれている。少々マイナーなソフトウェア製品でさえもAIに対応している。

マシンビジョン業界では、ほとんどと言ってもいいくらい多くのカメラメーカーから、AI機能を組み込んだ機種が提供されている。こうしたカメラの中には、独自のAI機能を提供するものもあれば、AIエンジンを搭載し、ユーザーが好みのAIソフトウェアをインストールできるようにしたものもある。

マシンビジョン専用のエッジデバイスも登場している。AI処理をエッジで行うためのAIアクセラレーターを搭載したデバイスだ。そしてもちろん、AI処理をクラウドやフォグ（ローカルクラウド）で行う導入方法もある。

こうした一連の動きは何を意味するのだろうか。つまり、AIの活用は今後も広がり続けるということだ。AIを使えば、不良検出など以前は困難であったり複雑すぎたりした用途にも対応できるようになる。また、従来の画像処理手法で（恐らくもっと効果的に）解決できるような用途にもAIを使ってみようと考える人が増えるだろう。

例えば、加工済み部品を認識するという用途を考えてみよう。認識のためのプロセス自体はすでにしっかりと確立されており、かつ、非常に効果的である。AIでも加工済み部品の認識は可能だが、実際には、既存の画像処理プロセスを使用するよりも技術的労力がかかる可能性がある。