導入に続くこの段階において、ロボットプラットフォームが期待通りの成果を上げているかどうかを評価する基準となるのは、結局、過去40年間にわたり現場責任者があらゆる資本設備の評価で使用してきた基準と同じだ。つまり、以下に挙げるような測定・記録可能な性能である。
- 検証済みの稼働時間
- 安定したサイクルタイム
- 平均故障間隔
- 平均修理時間
- さまざまな投入条件における工程能力
基調講演などでスライドを華々しく飾るような指標ではないかもしれないが、一旦システムが試運転段階を過ぎれば、これほど重要な指標は他にない。品質管理部門は、運用開始後ではなく、調達段階でこれらを確認しておくべきである。
メーカーに確認すべき事項をいくつか挙げる。
- 異なる拠点や業務フローに対するスケーラビリティの実績(参考導入事例だけでなく、導入が順調に進まなかった拠点も含めた導入実績全体)
- 繁忙期全体を通じた実際の稼働率(仕様書の数値ではなく、実運用データに基づく数値)
- 出荷頻度の低いSKUに対する性能
- テクニカルサポートや部品の供給終了についての対応
こうした点について明確に答えられるメーカーであれば、そのプラットフォームが2031年頃になってもまだ現場で稼働している可能性は高い。一方、回答をはぐらかしたり、条件をつけたり、製品ロードマップの説明に話題をすり替えたりするメーカーには、注意が必要だ。
AIの能力と現実的な制約とのバランスを取る
現在、ロボットシステムの基盤モデルについての議論が盛んだ。「ロボット向けGPT」や、汎用AIシステム、何でも持ち上げられるとされるヒューマノイドなどが話題となっている。こうした過度な期待により、調達部門には市場で最も先進的なシステムを選定しなければならないというプレッシャーがかかっている。しかし、このようなプレッシャーに屈するべきではない。なぜなら、研究室でAIができることと、実際の倉庫現場で求められることは別だからだ。
AIの柔軟性が1段階高まるごとに、それに応じた運用上の制約が増えることになる。例えば、モデルの挙動が検証しにくくなることや、故障モードが予測しにくくなることのほか、システムが自律的に判断する範囲が広がるほど、認証プロセスが不透明になることなどが挙げられる。
決してロボットシステムを否定しているわけではない。AIの能力は、監査や再現性が求められる運用環境における現実的制約とのバランスを取らなければならないという点を指摘しているのだ。
