「実力証明」時代に入ったロボット産業-1(品証品管ニュース)

品証・品管ニュース

AIを導入する際には、監査対応や再現性など実運用環境における現実的制約を考慮し、AI機能とこうした側面とのバランスを取らなければならない。

この10年ほどの間、産業用ロボットや倉庫用ロボットを巡る議論の中心は、何ができるかだった。具体的には、「ロボットは、変形しやすい袋を持ち上げることができるか」「マシンビジョンは、これまで見たことのないSKU(在庫保管単位)を正しく処理できるか」などだ。

ロボットのデモ性能はどんどん進化し、ベンチャーキャピタルからの投資も拡大を続けてきた。展示会のたび、性能やスピード、柔軟性がさらに向上した自動化ソリューションを売り込む新たなロボティクス企業が次々と登場した。

その結果、「本当に機能するのか」という当初の問いは、「今後5年にわたり、当社の施設で、当社のSKUに対して、当社が求める処理能力を毎シフト安定して発揮し続けられるのか」へと変わった。

ロボット産業は、その実力を証明すべき時代に入ったのだ。管理されたデモ環境での動作だけではなく、実運用環境で機能するかどうかが重要な評価基準となってきた。

市場からの強い圧力

世界の倉庫自動化市場は、2025年の240億ドルから2031年までに560億ドルへと拡大し、年平均成長率(CAGR)は15%に達すると予測されている。大手サードパーティーロジスティクス(3PL)企業の80%以上が、すでに何らかの形でロボットによる自動化を導入している。つまり、ほとんどの事業者にとっての現在の課題は「次に何を自動化すべきか」、そして「導入済みの自動化システムからいかに確実な成果を引き出すか」だ。

計画の多くが行き詰まるのが後者の課題だ。十分な検証を経ずに導入してしまった結果だろう。多くの企業では、デモや試験導入の結果を基に契約を結んだものの、実際の現場でさまざまな障壁に直面しているというのが現状だ。その主な要因は、運用上のばらつきや過酷な条件など、管理された環境では発生しなかった課題にある。例えば、梱包の破損、例外的形状の梱包箱、シフトごとに変化する照明条件、繁忙期の注文急増、サプライヤーから新たに入荷したばかりのSKUなどが挙げられる。

これは、品質管理担当者にとってはおなじみの状況だ。基準サンプルを用いた工程能力評価の結果が、実際の生産ラインにおける3か月間の生産実績と異なるなどという現象は、珍しいことではないからだ。だがロボットメーカーにとってはそうではない。つい最近まで、基準サンプルで機能することさえ確認すれば、事業を展開できたからだ。