品質不良の隠れたコスト:スクラップ発生による稼働時間損失が収益に与える影響とは-3(品証品管ニュース)

品証・品管ニュース

不良発生に至る前に問題を解決する

インライン計測技術のメリットは、単なる不良検出にとどまらない。高度な監視・制御機能により、工程の安定性を維持し、不良が発生する前に先手を打ってリスクを軽減することができる。

システム内に適切な警告基準値を設定しておけば、実際に仕様限界値を超える前に、警告を受け取ることができる。例えば、寸法公差が±200ミクロンの場合、±150ミクロンの時点で警告を発するような設定が可能だ。このような早期通知により、製品がまだ完全に仕様範囲内に収まっている段階で微調整を行うことができるため、工程の自然なばらつきが高コストの不良発生につながることを食い止められる。

さらに、傾向を早期に把握することで、最小公差(公称値)により近い条件でも、絶対的な自信を持って製造することが可能になる。押出成形では、原材料費は総製造コストの最大80%を占めている。許容公差の範囲内で安全に肉厚や直径を最小限に抑えることができれば、高価な原材料を節約しつつ、生産ラインのパフォーマンスを最高水準で維持することができる。

主観性を排除し、一貫した品質基準を確立する

データに基づくインライン計測により、人による主観的判断を品質管理から排除し、すべての勤務シフトで再現性のある客観的な基準を確立できる。

ある押出成形工場での試験運転中に、「チャタリング」と呼ばれる表面不良が確認された。微細で周期的な波状の凹凸が製品表面に生じることで、よくある不良だ。製品はすべての寸法要件を満たしていたが、出荷可否判断のための表面品質評価は、人による触覚検査と目視検査のみで行われていた。

このような手作業による方法では、作業者ごと、シフトごと、日ごとに判断のばらつきが生じるため、検査の一貫性を確保することが難しい。ある作業者が許容範囲だと考えたものを、別の作業者は不合格と判断する可能性があり、その結果、本来不要なスクラップが発生したり、さらに悪い場合には、不良品が顧客に出荷されたりすることになりかねない。インライン計測を導入すれば、こうした主観的評価を、再現性が高く高精度な測定に置き換えることができる。すなわち、明確かつ定量化可能な基準で品質を定義し、システムで一貫して評価できるようになるため、顧客からの苦情や多額の費用を伴う製品リコールのリスクを最小限に抑えられるのだ。