学術の世界で偏る共通言語

世界翻訳ニュース

現在、学術論文の大半は英語で書かれている。英語以外の言語が排除されることで弊害はあるのだろうか?

かつて、ニュートンの『数学原理(Principia Mathematica)』はラテン語で書かれた。アインシュタインの論文はドイツ語、キュリー夫人はフランス語だ。ところが20世紀中盤以降、英語圏以外のドイツ、フランス、スペインなどでも、自国の言語より英語の論文がその数を何倍も上回ることになる。オランダなどでは、英語と自国語の論文の比率は40対1だ。

科学研究誌Research Trendsが、世界最大級の文献データベース、SCOPUS上にある論文を調査したところ、239ヵ国による21000件を超える論文のうち、80%が英語で書かれていた。論文発表数の多い上位国に絞っても、英語で書かれる比率はここ数年で上昇傾向だという。