アメリカ手話は言語のひとつ

世界翻訳ニュース

北米の英語圏を中心に使用されているアメリカ手話(ASL)は、単純なジェスチャーであっても、聴覚障害をもつ人の脳内では話し言葉を処理するのと同じ領域で処理されている、とカナダ ダルハウジー大学の神経科学者、Aaron Newman博士率いる国際研究チームが発表した。

同チームは、生まれつきの聴覚障害者が仕草やジェスチャーを左脳で処理していることを、fMRI(機能的磁気共鳴断層撮影装置)を使って示すことに成功した。一方、聴覚に異常がなく手話を使わない被験者では、人の動きを処理する脳の領域でこれらの情報を処理していることがわかった。

Newman博士は、あくまでこの研究は基礎段階のため、研究結果が人々の生活にすぐに影響を及ぼすわけではないとしているが、この研究により、アメリカ手話が言語のひとつであることが証明され、重要性がクローズアップされたと言えよう。