
サイバー攻撃や情報漏えいリスクが高まる中、
情報セキュリティを国際標準に基づいて管理・運用することは、企業の信頼性や事業継続性を支える重要な要素となっています。
ISO/IEC 27001(ISMS)は、すでに20年以上の歴史を持つ成熟した国際規格であり、
日本国内でも多くの企業が取得・運用しています。
そんな中、近年増えているのが、
「日本本社で取得したISO27001のスコープを、海外拠点にも広げたい」
というご相談です。
海外拠点で情報を取り扱うケースが増える中、
本社と同じ考え方・ルールで情報セキュリティを運用できているかどうかが、
実務上の大きな課題になっています。
ISO/IEC 27001とは
情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格です。
機密性・完全性・可用性の観点から情報資産を管理し、
組織としてどのようにリスクを管理・運用するかを定めています。
また、ISO27001は、
一部の組織・拠点のみを対象(スコープ)として取得・運用できる
点も特徴のひとつです。
そのため、
日本本社のみをスコープとして取得した後、
海外拠点を含める形でスコープを拡大していく、
という進め方をされる企業様も多く見られます。
海外拠点展開で課題になりやすい「文書」
ISO27001の運用において、文書は重要な役割を果たしますが、
すべての文書をそのまま翻訳すればよい、というわけではありません。
海外拠点への展開時によくある課題として、次のような点が挙げられます。
・日本語で作成された方針・手順書の内容が、海外拠点で正しく理解されていない
・拠点ごとに独自解釈が生まれ、運用にばらつきが出ている
・英語版文書はあるが、ISO規格用語や表現が統一されていない
・審査時に「本社文書と海外拠点の運用の関係」を説明しづらい
このような場合、
「翻訳が必要かどうか」「翻訳する前に内容確認・整理が必要か」
を見極めることが重要になります。
当社がご支援できること
当社では、ISO27001の海外拠点展開において、
翻訳だけでなく、文書内容の確認・整理も含めた支援を行っています。
・日本語文書の内容確認(海外展開に適した内容かの整理)
・翻訳が必要な文書・不要な文書の切り分け
・セキュリティポリシー/手順書の多言語翻訳
・海外拠点向け教育資料・説明資料の翻訳
・既存英語文書の用語・表現統一、見直し
「まずは内容を確認した上で、必要な部分だけ翻訳したい」
といったご相談にも対応可能です。
ISO27001の運用が進むと見えてくる視点
ISO27001を海外拠点へ展開し、運用を進めていく中で、
次のような課題を感じられる企業様も少なくありません。
・グループ全体として、情報セキュリティに関する意思決定の考え方をどう揃えるべきか
・経営層は、どのレベルで関与・判断すべきなのか
・本社と海外拠点を含めた統制を、どのように説明・整理すればよいのか
こうした 「運用の一段上の視点」 を考える際に、
参考にされることが多いのが ISO/IEC 27014 です。
ISO/IEC 27014は、ISO27001の運用を前提として、
情報セキュリティを 経営層の意思決定やガバナンスの観点からどう捉えるか
を整理したガイドラインです。
認証を取得するための規格ではありませんが、
グループ全体・海外拠点を含めた情報セキュリティ体制を
中長期的に整理・説明していく上での考え方として活用されています。
QAコーナー
Q1. ISO27001とISO27014は、必ず両方対応しなければいけませんか?
A.
必須ではありません。多くの企業では、
まずISO27001を導入・運用し、その延長線上で
経営層の関与やグループ統制を強化する目的で
ISO27014の考え方を取り入れています。
Q2. 日本語文書をすべて翻訳しないと、海外拠点でのISO運用はできませんか?
A.
必ずしもそうではありません。
海外拠点に求められる運用内容や審査範囲によって、
翻訳が必要な文書と不要な文書は異なります。
重要なのは、
「海外拠点が何を理解し、どう運用する必要があるか」を整理した上で、
適切な形で情報を共有することです。
Q3. すでに社内で作成した英語文書がある場合でも依頼する意味はありますか?
A.
はい。既存英語文書について
・ISO規格用語の統一
・表現の曖昧さの解消
・他言語展開を前提とした構成整理
を行う目的でご相談いただくケースも多くあります。
まとめ
ISO27001を海外拠点へ展開する際には、
「翻訳ありき」ではなく、文書内容と運用の整理が出発点となります。
文書の確認、整理、翻訳まで一貫してサポートできるパートナーとして、
ぜひお気軽にご相談ください。
