Amazon社、翻訳事業に1000万ドル投資

世界翻訳ニュース

Amazon.com社の出版部門であるAmazon Publishing社の翻訳書籍出版ブランドAmazonCrossingは、翻訳書籍の出版数および作家の国籍における多様性を増やすために今後5年間に1000万ドル(約119億円)を投資すると発表した。その一環として、翻訳家や海外の出版社、作家などが翻訳出版したい書籍を提案申請できるポータルサイトを立ち上げるという。

このようなポータルサイトは、通常の出版経路では出版できなかった作家にとって体裁の良い自費出版の場となり、それに関わる翻訳者の翻訳料金は最低レベルになることが予想されるが、翻訳市場にとっては悪いことではないと、作家であり翻訳家でもあるスーザン・ベルノフスキー氏が自身のブログで述べている。

ベルノフスキー氏によると、AmazonCrossingから出版されたジャンル小説は、質の高い文芸翻訳業界には悪影響を及ぼしていないし、ジャンル小説の翻訳料の下落は一般的に言って翻訳家にとっては良いことではないが、他の分野の翻訳料へはほとんど影響していないという。同氏は、翻訳の分野でこのように利益を追求していることはAmazon社にとって良いことではあるが、出版業界の主流をなす大手企業にももっとこの事実に注視して欲しいと、ブログを締めくくっている。