UI翻訳について

サービス紹介

「UIの対訳用語集はございますか?」

 

ホンヤク社のYFです。

冒頭の質問は、マニュアル翻訳をご依頼いただく際に必ずお伺いするフレーズです。

 

『UI』とは『User Interface(ユーザーインターフェース)』の略で、人と機器が情報をやり取りするために接する部分を指します。例えばPCですとモニター、マウス、キーボードといったものが挙げられますが、物理的なものだけではなく、画面やボタン名、またメッセージといった文章(UI文言)も含みます。

 

機器のマニュアル文章中にはUI文言が頻出します。お客様が製品を扱う際、もしマニュアルには『電源』と記載されているのに、操作パネル上では『Power』と表示されていたらどうなるでしょう。「どこやねん!」と心の中でツッコミをいただくだけで済むならいいのですが、このように実際の表示と不一致が生じてしまうと操作に手間取ってしまったり、最悪の場合、意図した動作をせず、故障や事故の原因にもなります。そのため、マニュアル翻訳ではUI文言を合わせることが必須となり、冒頭のような質問をさせていただいております。

 

上記はすでにUI文言を用意いただいているケースとなりますが、新たな製品、また多言語への展開が必要となる場合はUI文言の翻訳が必要となります。文言を文字通りそのまま訳出するだけのように思われますが、実際UI文言の翻訳は注意すべき点も多く、難易度は高いものとなります。

 

まず、UI翻訳は訳語を統一する必要があります。お客様より既存のUI対訳表をご支給いただきますと、同じ文言同士で訳ブレしているものが多々見受けられますが、これは新規の文言が追加となった際に、既存訳を無視して訳出されたためと思われます。ユーザーにとって使いやすいものにするためには、用語はそろえた方が良いでしょう。

 

また、文言を表示する領域に限りがあるため、文字数制限内に収めなければならないこともUI翻訳の難しさの一つです。特に欧州言語は日本語に比べ文章が長くなるため、略語を使用する、場合によっては文意を損なわず不要な部分をカットするといった作業が必要になります。

 

英語を起点として多言語に展開する場合は、略語にも注意しなければなりません。どの単語が略されているか不明瞭なために、意図した訳にならないといったケースもあります。あらかじめスペルアウトしたものを用意することが望ましいですが、たいていの場合は記載がないため、判断が難しい場合は質問のやり取りが発生します。

 

そして、通常翻訳との大きな違いは文脈がないことです。どの画面、機能部で表示される文言かを判断することが非常に困難なため、製品の情報や参考資料を手掛かりに翻訳を行わなければなりません。最終的にはエミュレーターや実機を用いてご確認頂く必要がございます。

 

UI翻訳は非常に複雑なものである一方、限られたお時間と予算の中で対応していかなければならないといったご事情があるかと存じます。最近では翻訳支援ツールの機能が充実してきており、用語ブレや文字数制限への対応が効率化や、Excelだけではなく.txtや.rcといったファイル形式のまま作業を進めることが可能となりました。そうした技術を活用しつつ、ユーザーフレンドリーなUIを作成するお力添えができますと幸いです。

 

お問合せはこちらまで、ぜひお気軽にご相談ください。