世界でいちばん音楽的な言語

世界翻訳ニュース

抑揚をつけずに話すのはあまり一般的ではない。たとえ音痴な人でも、質問するときには普通の時とは違う音程にする。

もしも抑揚をつけずに話しても、英語であれば聞き手は簡単に理解できる。一方で単語を区別するのに英語の子音や母音と同じくらいに音調が重要な役割を果たす言語もたくさんあり、「声調言語」と呼ばれるこれらの言語は、少なく見積もっても世界中で15億人が使用している。

その典型例が北京語の四声だが、中国や東南アジアの一部でモン族によって使われているモン語(ミャオ語)には7~8種類の音調がある。このような音調言語は世界中に存在するが、おもに東および東南アジア、サハラ以南のアフリカ、メキシコの土着コミュニティに集中する傾向がある。このように高温多湿な地域に多いのは、一説によると、乾燥した土地では声帯のしなやかさが奪われるので、音調の微妙な違いを出しにくく、声調言語が発達しにくいからだという。